E-H対応とE-B対応

この記事には, 以下の疑問に関する記述があります.

  • 磁場Hと磁束密度Bの違い
  • マクスウェル方程式はなぜ対称性が破れているのか
目次

E-H対応とは?

電荷と磁荷から湧き出す電場Eと磁場Hをもとに電磁気現象を記述する枠組み.

もしも磁荷が存在したら…

電荷から電場の湧き出しと吸い込みがあるように, 磁荷からも磁場の湧き出しと吸い込みがあるはずだ.

また電荷の流れ(電流)と同じように, 磁荷の流れ(磁流)も考えることができるため, 磁荷保存の法則が成り立たなければいけない.

E-H対応のマクスウェル方程式

本サイトでは, マクスウェル方程式への理解を深めてもらうために, まずE-H対応でマクスウェル方程式の導入を行い, その美しい対称性を見てもらいたいと思う.

E-B対応とは?

電荷から湧き出す電場Eと電流が作る磁束密度Bをもとに電磁気現象を記述する枠組み.

ここでは, 磁場Hはアンペールの法則が成立するように,便宜的に導入される.

磁場と磁束密度の違いが明言されず, 変換公式を形だけ習うため, 多くの初学者を混乱させる原因になっている.

磁荷は存在しない

E-H対応では電荷と磁荷が生み出す電場と磁場をもとにマクスウェル方程式が組み立てられたが, 現実世界においては, 単磁荷(モノポール)の存在はまだ確認されていない.

つまり, これは磁荷の+とー, すなわちN極とS極は単独では存在しないということを意味する.

片側の磁極(この場合N極)から湧き出した磁場はもう片側の磁極(この場合はS極)に吸いこれるため, トータルで見ると, 磁場は湧き出しも吸い込みもないと言えるのだ.

E-B対応のマクスウェル方程式

本サイトでは, マクスウェル方程式への理解を深めてもらうために, 磁荷および磁流(磁荷密度と磁流密度)が存在しないことから, E-H対応のマクスウェル方程式を修正する形で, E-B対応のマクスウェル方程式を示すことにする.

参考文献

  1. 光学入門: 光の性質を知ろう(大津 元一, 田所 利康, 朝倉書店, 2008)
  2. 磁場はBだけではうまく表せない(北野正雄, 大学の物理教育 2015 年 21 巻 2 号 p. 73-76)
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